訪日客2000万人突破

1月から累計、暦年で初―16年


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観光庁は31日、2016年の訪日外国人観光客が30日に2000万人を超えたと発表した。
暦年ベースで2000万人の大台に乗せるのは初めて。
中国、韓国、台湾などアジアからの訪日客が伸びをけん引し、地方を訪れる人も増えている。政府は20年に訪日客4000万人の目標を掲げる。
宿泊施設の確保や、一時ほど振るわない消費の底上げなど課題はなお多い。
石井啓一国土交通相は31日、「観光先進国の実現を目指し、(観光振興を)政府一丸となって強力に推進する」とのコメントを発表した。
訪日客は13年に初めて1000万人を超え、14年1341万人、15年1974万人と順調に拡大してきた。
今年は4月の熊本地震の後、一部で九州旅行を手控える動きが出たが、すぐに持ち直した。通年では2400万人程度に達する可能性がある。
1~9月の訪日客の内訳をみると、トップは中国の約500万人で、全体の3割近くを占める。
韓国、台湾、香港を含む東アジアで7割超に達し、訪日客数の伸びを引っ張った。
格安航空会社(LCC)に加え、比較的安価なクルーズ船の利用も急増した。
1~9月の外国船の寄港は1176回と前年同期比1.5倍だった。
訪れる場所は東京と大阪を結ぶ「ゴールデンルート」の人気が高いが、地方にも分散しつつある。
外国人の延べ宿泊者数では、地方の伸びが三大都市圏を上回る傾向が続いている。
20年に4000万人に増やす政府目標の達成には課題も多い。まずは空港や港湾、ホテルなど受け入れ環境の整備だ。
日本政策投資銀行の試算によると、20年に東京都内で1880万人分の宿泊施設が足りなくなる可能性がある。
政府は羽田空港の容量拡大やホテル用地の容積率緩和、住宅に有料で旅行者を泊める民泊解禁の検討を進めている。
観光資源の掘り起こしも急務だ。訪日客数の拡大はアジアの旅行需要に支えられてきた面が大きい。
息の長い訪日ブームにつなげるには、何度も日本を訪れるリピーターを増やしたり、周遊型の旅行を促したりする必要がある。
文化財や自然公園を観光資源として磨きをかける取り組みも求められる。
円高やアジア経済の減速で7~9月の訪日客消費は前年同期比マイナスに転落した。
訪日客の関心は家電やブランド品から文化や体験に移っているとの指摘もある。
潜在的な需要を引き出す官民の努力も欠かせない。
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