民泊を認める条例

民泊専従として22人に増強して配置

 マンションなどの空き部屋に観光客を泊める「民泊」で、大阪市が本格的な実態調査に乗り出す。
国家戦略特区を活用し民泊を認める条例を31日に施行するのに合わせ、担当職員を2人から民泊専従として22人に増強して配置。
参入業者の認定と並行し、ほぼ手つかずだった無許可業者の特定や住民とのトラブルの情報収集を進め、悪質な事案は行政指導も検討する。
インターネットの民泊仲介サイトには大阪市を中心に大阪府内で約1万件の登録があるとされるが、実態把握はできていない。
大阪市によると、民泊を巡る通報は昨年度は184件、今年度は4~8月で277件と激増した。
「違法な民泊ではないか」「旅館業の許可を取っているのか」など近隣住民から確認を求める通報が多いが、 これまで担当職員は2人で、現地調査も不十分だった。
大阪市は条例施行と同時に特区民泊の認定を開始。
それに備え、宿泊施設を所管する保健所に民泊を担当する職員22人を今月から新たに配置した。
認定業務と並行して、サイト上の無許可業者の抽出や所在地の特定なども進める。
周辺住民からの苦情があれば現地を調査し、営業中止を含む行政指導も検討する。課題への対応などに当たる部局横断のプロジェクトチームも近く発足させる。
旅館業法の適用を除外する特区民泊は大阪府と東京都大田区で始まっており、要件は6泊7日以上の滞在など。
ただ、「爆買い」の中国人客は1カ所に長期滞在しない傾向があり、政府は今月中にも政令を改正して滞在日数を「2泊3日以上」に緩和する。
緩和後は正規参入する業者が増えると見込まれ、大阪市は事業者向けの説明会を12日から計6回予定する。
市担当者は「まずは制度の枠の中に入ってもらいたい。そこからあふれた業者は本格的に取り締まるということだ」と参入を促す。
大阪を訪れた外国人観光客は2014年の376万人が、16年は上半期だけで450万人に増えた。
府内の宿泊施設稼働率(15年)は全国トップの84.8%。宿泊施設の不足が、無許可民泊の需要につながっている。
大阪市に先行して4月に特区民泊を認める条例を施行した大阪府は、昨年度から無許可業者への行政指導を強化し、23件の営業を中止させた。
京都市は今年4~8月、営業中止だけで148件の行政指導をした。 
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