ホテル容積率1.5倍

 国土交通省は13日、地方自治体にホテル用地の容積率を緩和するよう促す通知を出した。
最大で現行の容積率の1.5倍までで300%を上限に上乗せする案を例示し、都市計画の変更を検討するよう求めた。
訪日外国人観光客が増えてホテルが足りなくなる事態に備える。住宅の空き部屋などに旅行者を泊める民泊とあわせて、訪日客の受け皿づくりを急ぐ。
容積率は敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合。200%なら敷地面積の2倍の床面積まで建築できる。 市町村が都市計画の中で住居専用地域や商業地域といった用途地域ごとに定めるのが一般的だ。
国交省が通知のなかで示したのは、ホテルなど宿泊施設の整備に着目した容積率の緩和だ。これまでは営利目的で建てられるホテルを優遇する例は少なかった。
最終的には自治体が緩和するか判断するが、より高層で客室数が多いホテルを建てやすくする狙いだ。
国交省はホテル用地を現行容積率の1.5倍とする案を例示した。例えば容積率400%の地域で、すべてホテルの建物を建築する場合、容積率が600%に増える。
半分だけホテルに使う建物では200%に1.5倍が適用され、全体では500%となる。上乗せできる上限は300%とした。
容積率1000%の地域では1.5倍の1500%ではなく、1300%になる。
実際には国交省案よりも緩和の範囲を広げたり縮めたりすることもできる。東京都中央区や京都市、大阪市などが実際に容積率緩和を検討しているという。
背景には訪日外国人の急増がある。2015年の訪日客は1974万人と14年比47%増。
16年に入っても前年を上回るペースが続いている。
観光庁によると、15年のホテルや旅館の客室稼働率は60.5%と、前年より3.1ポイント拡大。
ビジネスホテルに限ると、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫の5都府県の稼働率が予約が取りづらくなる目安とされる8割を超す。
20年に訪日客が2500万人まで増えるケースで、1万室以上のホテルが足りなくなるとの試算がある。
政府は20年までに4000万人に増やす目標を立てており、このままでは確実に足りなくなる。
もっとも、ホテル新設には用地の確保から建設まで2~3年ほどかかるとされる。
訪日客の宿泊場所の確保には、既存の空き家などを使う民泊も思い切って拡大する必要がある。
観光庁と厚生労働省は月内に民泊のルール案をまとめて、年度内に国会に新法を提出する方針だ。
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