平成29年6月16 日に公布されたところ、法を施行するに当たり、法において省令で定めることとされた事項

住宅宿泊事業法施行令・規則

目次
  • 住宅宿泊事業法施行令について(概要)
  • 住宅宿泊事業法施行規則について(概要)
    •    
    • 1.住宅宿泊事業法施行規則(仮称)【国土交通省令・厚生労働省令】
    •  
    • 2.厚生労働省関係住宅宿泊事業法施行規則(仮称)【厚生労働省令】
    • 3.国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則(仮称)【国土交通省令】
Ⅰ.背景
住宅宿泊事業法(平成29 年法律第65 号。以下「法」という。)は、平成29年6月16 日に公布されたところ、法を施行するに当たり、法において省令で定めることとされた事項等について定める必要がある。
住宅宿泊事業法施行令について(概要
Ⅱ.概要
(1)住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例の基準(法第18 条関係)
法第18 条の政令で定める基準は、以下のとおりとする。
① 区域ごとに、住宅宿泊事業を実施してはならない期間を指定して行う。
② 区域の指定は、土地利用の状況その他の事情を勘案して、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止することが特に必要である地域内の区域について行う。
③ 期間の指定は、宿泊に対する需要の状況その他の事情を勘案して、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止することが特に必要である期間内において行う。
(2)住宅宿泊管理業者等の登録の更新の手数料(法第22 条第5項及び法第46 条第5項関係)
住宅宿泊管理業者及び住宅宿泊仲介業者の登録の更新の手数料の額を定める。
(3)管理受託契約に係る書面等に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承諾等(法第33 条第2項、第34 条第2項及び第59 条第2項関係)
管理受託契約(※1)に係る書面及び住宅宿泊仲介契約(※2)に係る書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する際の手続として、あらかじめ、 当該事項の提供の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、承諾を得なければならない旨の規定を設ける。
(※1)住宅宿泊事業に係る住宅の管理を受託することを内容とする契約
(※2)宿泊者と住宅宿泊事業者との間の宿泊契約の締結を仲介することを内容とする契約
(4)外国住宅宿泊仲介業者の営業所等における検査に要する費用の負担(法第63条第4項関係)
観光庁長官による立入検査を受ける外国住宅宿泊仲介業者が負担する費用として、当該立入検査に係る営業所又は事務所の所在地に出張をするのに要する旅費の額に相当するものを定める。
(5)その他所要の規定の整備を行う。
住宅宿泊事業法施行規則について(概要)
Ⅱ.概要
1.住宅宿泊事業法施行規則【国土交通省令・厚生労働省令】
(1)住宅の設備(法第2条第1項第1号関係)
住宅に設けられている設備は、台所、浴室、便所及び洗面設備とする。
(2)人の居住の用に供されていると認められる家屋(法第2条第1項第2号関係)
人の居住の用に供されていると認められる家屋は、現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集が行われている家屋、随時所有者又は賃借人の居住の用に供されている家屋とする。
(3)人を宿泊させる日数の算定(法第2条第3項関係)
人を宿泊させる日数として算定した日数は、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの期間において人を宿泊させた日数とし、正午から翌日の正午までの期間を1日とする。
(4)届出(法第3条第2項及び第3項関係)
① 届出書の様式等を定める。
② 届出書の記載事項は、
・届出住宅の規模等
・住宅宿泊管理業務を委託する場合には、住宅宿泊管理業者の商号、名称等
・住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾の旨
・住宅が区分所有建物である場合には規約で住宅宿泊事業が禁止されていない旨(規約に住宅宿泊事業に関して定めがない場合は管理組合に禁止する意思がない(※)旨)等とする。
③ 届出書に添付する書類は、
・住宅の図面、登記事項証明書
・住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾書
・住宅が区分所有建物である場合には規約の写し(規約に住宅宿泊事業に関して定めがない場合は管理組合に禁止する意思がない(※)ことを確認したことを証する書類)等とする。
※「管理組合に禁止する意思がない」ことは、管理組合の理事会や総会における住宅宿泊事業を禁止する方針の決議の有無により確認する予定。
(5)変更の届出(法第3条第4項及び第5項関係)
変更の届出書の様式を定め、変更の届出には、当該変更に係る書類を添付することとする。
(6)廃業等の届出(法第3条第6項関係)
廃業等の届出書の様式を定める。
(7)宿泊者名簿(法第8条第1項関係)
① 宿泊者名簿は正確な記載を確保するための措置を講じた上で作成し、作成の日から3年間保存することとする。
② 宿泊者名簿は届出住宅等に備え付けることとする。
③ 宿泊者名簿に記載する事項は、宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日のほか、宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号とする。
(8)周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明(法第9条第1項関係)
① 説明は書面の備付け等の措置を講じた上で行うこととする。
② 説明が必要な事項は、騒音の防止のために配慮すべき事項、ごみの処理に関し配慮すべき事項、火災の防止のために配慮すべき事項等とする。
(9)住宅宿泊管理業務の委託の方法(法第11 条第1項関係)
① 住宅宿泊管理業者への委託は、住宅宿泊管理業務の全部を契約により委託すること等により行うこととする。
② 住宅宿泊事業者が、各居室の住宅宿泊管理業務の全部を行ったとしても、その適切な実施に支障を生ずるおそれがない居室の数を定める。
③ 住宅宿泊管理業者に対し住宅宿泊管理業務の委託を要さない、一時的な不在とされるものを定める。
④ 住宅宿泊管理業者に対し住宅宿泊管理業務の委託を要さない場合は、住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅が同一の建築物内にある場合等とする。
(10)宿泊サービス提供契約の締結の代理等の委託の方法(法第12 条関係)
住宅宿泊事業者が宿泊サービス提供契約の締結の代理等の委託をしようとするときは、委託をしようとする住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に対し、当該住宅宿泊事業者の届出番号を通知することとする。
(11)標識の様式(法第13 条関係)
標識の様式を定める。
(12)住宅宿泊事業者の報告(法第14 条関係)
住宅宿泊事業者は、2ヶ月ごとに届出住宅に人を宿泊させた日数等を報告することとする。
(13)身分証明書の様式(法第17 条第2項関係
) 立入検査をする職員の身分を示す証明書の様式を定める。
(14)市町村の意見聴取(法第18 条関係)
都道府県は、法第18 条の規定に基づく条例を制定しようとするときは、当該都道府県の区域内の市町村の意見聴取のための手続を行うこととする。
(15)住宅宿泊事業等関係行政事務の処理(法第68 条第3項及び第4項関係)
保健所設置市等は、住宅宿泊事業等関係行政事務の処理を開始する日等について公示し、都道府県知事は事務の引き継ぎ等の事務を行うこととする。
(16)その他所要の規定の整備を行う。
2.厚生労働省関係住宅宿泊事業法施行規則【厚生労働省令】
(1)宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置(法第5条関係)
届出住宅について、宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置は、
① 居室の床面積は宿泊者一人当たり3.3 ㎡以上を確保すること
② 定期的な清掃及び換気を行うこととする。
3.国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則【国土交通省令】
3-1.住宅宿泊事業関係
(1)宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置(法第6条関係)宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置は、届出住宅に、非常用照明器具を設けること、避難経路を表示すること等とする。
(2)外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置(法第7条関係)
外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置は、外国語を用いて、届出住宅の設備の使用方法に関する案内をすること等とする。
3-2.住宅宿泊管理業関係
(1)登録の更新の申請期間(法第22 条第2項関係)
住宅宿泊管理業の登録の更新は、定められた期限内に登録申請書を提出しなければならないこととする。
(2)手数料の納付方法(法第22 条第5項関係)登録の更新の手数料は、登録申請書に収入印紙を貼ること等により納めることとする。
(3)登録申請書(法第23 条第1項及び第2項関係)登録の申請書の様式を定め、登録申請書に添付する書類は、法第25 条第1項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面等とする。
(4)不正な行為等をするおそれがあると認められる者(法第25 条第1項第6号関係)
不正な行為等をするおそれがあると認められる者は、登録の取消しの処分に係る通知があった日から当該処分の決定等をする日までの間に、相当の理由がなく廃業等の届出をした者で、 当該届出の日から5年を経過しないもの等とする。
(5)住宅宿泊管理業を遂行するために必要と認められる財産的基礎(法第25 条第1項第10 号関係)
住宅宿泊管理業を遂行するために必要と認められる財産的基礎の基準は、負債の合計額が資産の合計額を超えないこと、支払不能に陥っていないこととする。
(6)住宅宿泊管理業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者(法第25 条第1項第11 号関係)
必要な体制が整備されていない者は、管理受託契約の締結に係る業務の執行が法令等に適合することを確保するための体制が整備されていると認められない者、 住宅宿泊管理業務を適切に実施するための必要な体制が整備されていると認められない者とする。
(7)登録事項の変更の届出(法第26 条第1項及び第4項関係)
登録事項変更届出書の様式のほか、登録事項変更届出書に添付する書類の様式等を定める。
(8)廃業等の届出(法第28 条第1項関係)
廃業等届出書の様式を定める。
(9)誇大広告をしてはならない事項(法第31 条関係)
誇大広告をしてはならない事項は、住宅宿泊管理業者の責任に関する事項、報酬の額に関する事項等とする。
(10)委託者の保護に欠ける行為(法第32 条第2号関係)
管理受託契約の締結又は更新について委託者に迷惑を覚えさせるような時間に電話又は訪問により勧誘する行為等とする。
(11)管理受託契約の締結前の説明事項(法第33 条第1項関係
) 管理受託契約の締結前に説明しなければならない事項は、住宅宿泊管理業務の内容及び実施方法等とする。
(12)情報通信の技術を利用する方法(法第33 条第2項関係)
書面の交付に代えて用いることができる電磁的方法は、送信者から電気通信回線を通じて受信者に記載事項を送信し、受信者の電子計算機に備えられたファイルに記録する方法等とする。
(13)管理受託契約締結時に交付する書面に記載する事項(法第34 条第1項第6号関係)
住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名、住宅宿泊管理業務の内容等とする。
(14)証明書の様式(法第37 条第1項関係)
従業者であることを証する証明書の様式を定める。
(15)帳簿の記載事項(法第38 条関係)
帳簿の記載事項は、管理受託契約を締結した年月日、管理受託契約を締結した住宅宿泊事業者の名称等とし、各事業年度の末日をもって閉鎖した後5年間当該帳簿を保存しなければならないこと等について定める。
(16)標識の様式(法第39 条関係)
住宅宿泊管理業者がその営業所及び事業所ごとに掲げる標識の様式を定める。
(17)住宅宿泊事業者への定期報告(法第40 条関係)
住宅宿泊事業者への報告を行うときは、住宅宿泊管理業務報告書を作成し、交付して説明しなければならないこととし、報告書に記載する事項は、住宅宿泊管理業務の実施状況、 届出住宅の維持保全の状況、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情の発生状況等とする。
(18)公告の方法(法第44 条関係)
監督処分の公告は、官報によるものとする。
(19)身分証明書の様式(法第45 条第3項関係)
立入検査をする職員の身分を示す証明書の様式を定める。
(20)その他所要の規定の整備を行う。
3-3.住宅宿泊仲介業関係
(1)登録の更新の申請期限(法第46 条第2項関係)
住宅宿泊仲介業の登録の更新は、定められた期限内に登録申請書を提出しなければならないこととする。
(2)手数料の納付方法(法第46 条第5項関係)
登録の更新の手数料は、登録申請書に収入印紙を貼ること等により納めることとする。
(3)登録申請書(法第47 条第1項及び第2項関係)
登録の申請書の様式を定め、登録申請書に添付する書類は、法第49 条第1項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面等とする。
(4)不正な行為等をするおそれがあると認められる者(法第49 条第1項第6号関係)
不正な行為等をするおそれがあると認められる者は、登録の取消しの処分に係る通知があった日から当該処分の決定等をする日までの間に、相当の理由がなく廃業等の届出をした者で、 当該届出の日から5年を経過しないもの等とする。
(5)住宅宿泊仲介業を遂行するために必要と認められる財産的基礎(法第49 条第1項第10 号関係)
住宅宿泊仲介業を遂行するために必要と認められる財産的基礎の基準は、負債の合計額が資産の合計額を超えないこと、支払不能に陥っていないこととする。
(6)住宅宿泊仲介業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者(法第49 条第1項第11 号関係)
必要な体制が整備されていない者は、宿泊者又は住宅宿泊事業者からの苦情等に適切に対応するための必要な体制が整備されていると認められない者、 法令を遵守するための必要な体制が整備されていると認められない者等とする。
(7)登録事項の変更の届出(法第50 条第1項及び第3項関係)
登録事項変更届出書の様式のほか、登録事項変更届出書に添付する書類の様式等を定める。
(8)廃業等の届出(法第52 条第1項関係)
廃業等届出書の様式を定める。
(9)住宅宿泊仲介業約款(法第55 条第1項及び第4項関係)
① 住宅宿泊仲介業約款設定(変更)届出書に記載すべき事項は、設定又は変更をしようとする住宅宿泊仲介業約款等とする。
② 住宅宿泊仲介業約款には、住宅宿泊仲介業務に関する料金その他の宿泊者との取引に係る金銭の収受に関する事項等を定めることとする。
③ 住宅宿泊仲介業約款の公示は、インターネットによる公開等の方法により行わなければならないこととする。
(10)住宅宿泊仲介業務に関する料金(法第56 条第1項関係)
① 住宅宿泊仲介業務に関する料金の制定基準は、定率等の方法により定められ、宿泊者及び住宅宿泊事業者にとって明確であることとする。
② 住宅宿泊仲介業務に関する料金の公示は、インターネットによる公開等の方法により行わなければならないこととする。
(11)禁止行為(法第58 条第4号関係)
宿泊者の保護に欠け、又は住宅宿泊仲介業の信用を失墜させる行為として、宿泊者に対し、特定のサービスの提供を受けること又は特定の物品を購入することを強要する行為を定めることとする。
(12)住宅宿泊仲介契約の締結前の説明事項(法第59 条第1項及び第2項関係)
① 住宅宿泊仲介契約の締結前に説明しなければならない事項は、住宅宿泊仲介業務に関する料金に関する事項、住宅宿泊事業者の届出番号等とする。
② 書面の交付に代えて用いることができる電磁的方法は、送信者から電気
通信回線を通じて受信者に記載事項を送信し、受信者の電子計算機に備え
られたファイルに記録する方法等とする。
(13)標識(法第60 条第1項及び第2項関係)
① 住宅宿泊仲介業者がその営業所又は事業所ごとに掲げる標識の様式を定める。
② 電磁的方法により、住宅宿泊仲介業者の登録年月日等の公示をする場合の方法について定めるとともに、その場合に公示すべき事項は登録年月日、登録番号等とする。
(14)旅費の額(法第63 条第4項関係)
観光庁長官による立入検査を受ける外国住宅宿泊仲介業者が負担する、当該立入検査に係る営業所又は事務所の所在地に出張をするのに要する旅費の額に相当する額は、 国家公務員等の旅費に関する法律の規定により支給すべきこととなる旅費の額とし、その他の細目を定める。
(15)公告の方法(法第65 条関係)
監督処分の公告は、官報によるものとする。
(16)身分証明書の様式(法第66 条第2項関係)
(17)旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則の特例旅行業者が住宅宿泊仲介業務を取り扱う場合の、旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則の特例を定める。
(18)その他所要の規定の整備を行う。
Ⅲ.今後のスケジュール(予定)
公布:平成29 年10 月
施行:法の施行の日
民泊新法の関連記事
民泊新法の関連事項
<